This is it, arkbell
– リアルタイム合成システムReality Engine を用いた イベント向けデモリール映像 –

Reality Virtual System Demoreel

Theme

【 スケール感、質感にこだわった3Dリアルタイム合成によるオンラインイベント映像 】
スタジオ規模に制限のある平和島XRスタジオ(HXRS)を使い「イベントステージの最大化」に挑戦

Behind The Scenes~デモリール映像の裏側~

Outline

2020年、コロナウイルスの影響は瞬く間に世界中へと広がった。
アークベルでは取組み始めていたバーチャルスタジオシステムを急遽 配信システムを加えた形でリリースし、いち早くオンラインイベントに対応した。
ZeroDensity社 Reality Engine によるUnreal Engineを核とした3Dリアルタイム合成システムを備え、
3Dトラッキングにはバーチャルスタジオに最適な業界標準の光学式カメラトラッキングシステムであるRedSpyを採用。
持てる機材/スタッフを投入し、クリエイティブ、制作、スタジオ、装置含め “ONE ARKBELL” で企画し取り組んだデモリールを紹介する。

Concept 『アークベルの新しいイベントソリューション』

ディスカッション

デモリール企画発足、まずはチーム編成。イベント部、企画制作部、XR課、営業メンバーといった各部署が集まり、「チーム一丸でデモリールを作成する」をスローガンにディスカッションを重ねていく。アークベルの持つ映像機材やスタジオ、またはそのオペレーションのノウハウといったイベント関連のリソースと、映像制作や付随するCG/モーショングラフィックスなどクリエイティブなサービスを融合させて、ひとつの作品作りにあたった。

ディスカッション

ディレクション

企画段階、まずはディレクターである崔が絵コンテを作成。世界観とストーリーが具体的になっていく。それをもとに技術チームの選定と、同時に制作チームが機材やモデルの手配などを具体的に進行していく。またXRチームによるシステムの技術検証も行う。

下記が最終的な演出絵コンテ。

演出絵コンテ

各カットにおけるコンテと実際の映像の比較

コンテ 実際の映像 コンテ 実際の映像 コンテ 実際の映像 コンテ 実際の映像

プロダクションマネジメント

ディレクターと撮影監督を兼ねる崔とカメラマン、それに制作チーム竹内/高場/白岩を交え香盤表と呼ばれる撮影スケジュールを作成。撮影順序や撮影方法を時間軸に沿ってペーパーに落とし込んでいく。今回は撮影したいカットと出演者の拘束時間の調整に気を配りながら予定を組んでいく。

その他制作チームはスケジュール管理のほか、撮影技術スタッフのアサインや出演者の選定など、制作のための手配や準備を担当。

プロダクションマネジメント
打ち合わせ

ディレクターとCGデザイナー鈴木の打ち合わせ

初期段階でのCGアセット

初期段階でのCGアセット

CGアセット制作

バーチャルでの表現にはCGアセットは欠かせないため、社内ですり合わせを行い世界観を形にしていく。ディレクターからの要望は、華やかなイベントの授賞式のイメージを元に、世界中がオンラインでつながっているというグローバルなもの、話し合いを重ねCGツールでアセットを起こしていく。

制作中のバーチャル空間でのCGセット

制作中のバーチャル空間でのCGセット

バーチャル空間における美術セットとしてのCGの可能性

バーチャル空間の無限に広がる空間では、美術セットとしてCGを制作すればどんなイマジネーションの再現も可能だ。頭に描いた想像でも3DCGなら立体的に広がりをもってあらゆる表現できる。

企画段階でのイメージ

企画段階でのイメージ

CG制作中の画面

CG制作中の画面

実際のバーチャル空間

実際のバーチャル空間

モーショングラフィックス制作

バーチャル空間に現れる映像効果、CG合成などモーショングラフィックス全般をCGディレクターの狩野が担当、ディレクター崔の持つイメージを最大限に表現するため、各スタッフと綿密に連携を取りながらビジュアル面での設計を進めていった。平面でのデザインをCGで立体的に起こし、アニメーションという時間軸を加えることでよりエモーショナルな効果を狙った。

モーショングラフィックス制作 モーショングラフィックス制作
モーショングラフィックス制作 モーショングラフィックス制作

バーチャル撮影

撮影は2日間。クレーンなど特機やCGアセットの準備など、連日早朝から深夜まで作業が及ぶ。
撮影時にRealityシステムで、人物モデル、背景CGアセットとリアルタイムで合成していく。撮影終了後は一部CGの調整を行い作品を完成させていった。

バーチャル撮影
バーチャル撮影 バーチャル撮影

今回の主な撮影手法は、Reality+3Dトラッキングシステム。それを用いることで、人物モデル、背景CGアセットとリアルタイムで合成していく。
その他、ポストプロダクションによるCGと実景の合成も取り入れ、あらゆる撮影の手法でXRの表現を実現した。

バーチャル撮影 バーチャル撮影 バーチャル撮影

Technical Information

  • リアルタイム合成システム

    ZeroDensity社 Reality Engine でのリアルタイム合成と、業界標準のStype社製 光学式カメラトラッキングシステム RedSpyを使用したリアルタイム・バーチャルスタジオシステム

  • グリーンバックスタジオ

    アークベル社内にある「平和島XRスタジオ」で撮影。壁面を全面塗装したグリーンバックスタジオ。合成に最適な撮影空間。

  • 照明機材

    業界標準の ARRI SkyPanel LEDパネル型ライトシステムを採用。演出によりフルカラー調整の他、色温度(2800K-10000K)、プラスマイナスグリーン、ディマー、色相の調整も可能。デジタルグリーンに特化したベースライティングとして常設。

  • 撮影機材

    ARRI ALEXA MINI(カメラ)

    Stype RedSpy(光学式カメラトラッキングシステム)
    RedSpyはほぼすべてのメーカのカメラとレンズに対応可能

    平和島XRスタジオ常備機材

    Blackmagic Design URSA Mini Pro 4.6K G2

    Fujinon ZK19-90mm T2.9 ZOOM レンズ等
    その他機材は適宜手配可能。

  • 特殊機材

    SCORPIO 23’(スコーピオ23’)レスコピック(伸縮)クレーン
    最大カメラ高 約7m, アーム長 1.5m~7.1m, バックアーム長 約2.2m
    ミニスコーピオは三軸構造のリモートヘットと組み合わせて、制限がある空間でもダイナミックにクレーン映像が収録可能。

Staff

プロデューサー 田邊

ディレクター/DOP/XRクリエーター

XRパートCG/モーショングラフィックス制作 狩野

XRテクニカルオペレーター 工藤、唐澤、佐藤

CGアセット制作 鈴木

制作進行 高場、白岩

メイキング映像ディレクター 竹内

モデル AnnA

執筆 狩野 2022.12.2