当社スタジオには、吊り照明として ARRIのSkyPanel(S120-C x5, S30-C x4),LitePanels GEMINI 2X1(Soft x2)が設置されているんですが、最近これらのDMX配線が行われました。
まだ照明卓は設置されていないので、灯体本体の設定確認もかねて、ソフトウェアでDMXコントローラーを作ってみました。
DMXは、離れた位置から照明機器の設定を操作する信号としては、最も一般的でシンプルな規格です。
DMXの配線は、まとめて操作したい照明機器を専用のケーブルでデイジーチェーンするだけなのですが、灯体とコントロールする機器それぞれの設定については、思慮と注意が必要です。
まずはSkyPanelからです。
ARRI Lightingのサイトから、SkyPanel製品のDMX仕様書をダウンロードします。
DMX対応の照明機器にはたいてい、いくつかの動作モードが用意されています(理由は後述します)
今回はCCT(色温度ベースでの設定)とRGBW(3原色ベースの設定)が両方使える「CCT&RGBW 8bit」モードを使うことにします。
モードの仕様詳細を見ると、以下のようになっています。
これによると、このモードでは1機器あたり12チャンネルぶんのパラメーターが定義されているようです。
DMXでデイジーチェーンして、個々の照明を別々にコントロールしたい場合には、1機器あたり必ずそのDMXモードで定義されたチャンネル数を消費します。
DMXは正確にはDMX512という規格なんですが、この512というのが、デイジーチェーンした機器全体で使用できる最大チャンネル数を表しています。
512というと大きい数字に見えますが、1台の照明機器が数十チャンネルを消費することを考えると、むしろ少ないなと思うはずです。
ここで、SkyPanelの別な動作モードを見てみましょう。
3原色によるカラーコントロールを使用しない場合には「CCT 8bit」モードが選択できます。
モードの仕様はこれです。
どうでしょうか。このモードで使用する場合、1灯体あたりで消費するDMXチャンネル数は7つで済みます。
DMXの信号はシンプルで、512チャンネルのうち何番のパラメータを幾つ(0-255)に設定するか、という情報しか伝送できません。
これは、あるチャンネルのパラメータが、デイジーチェーンした場合の何番目の機器をコントロールしているかは、信号自体を見ても分からないということを意味しています。
例えば SkyPanelを2台繋いで、それぞれ「CCT&RGBW 8bit」モードに設定する場合、2台目を独立してコントロールする場合の1チャンネル目は、DMX信号としては13番目のチャンネルになるわけです。
(続きます)