外ロケでお世話になる一般道などの道路使用許可申請について。
クリエイティブチームの制作進行を行っている白岩です。
当記事では屋外の一般道などでの公共道路スペースのロケの際に必須になる道路使用許可申請について記載します。
最初に道路使用許可とは何かについて。
道路使用許可は道路を交通以外の目的で一時的に使用する際に行う手続きです。
こちらの申請を出すことで、道路工事や出店などの交通以外の使用目的で他者の通行を完全に妨害しない範囲で使用することが可能です。
撮影ではいわゆる「ゲリラ」と呼ばれる無許可での撮影が行われている場合もあると言われていますが、こちらの申請を行わずに撮影を行った場合、道路交通法第119条に違反となり、立ち退きや、最悪の場合罰則を科されることがあります。
近隣住民の方々から「こちらの撮影は許可を得ているのか」といった問い合わせであったり、場合によっては通報されることも撮影の際は考えられます。
必ず公道での撮影の際は道路使用許可を申請してください。
申請書のダウンロードや記入の方法についての概要は警察庁交通局のURLからアクセスが可能です。
ダウンロードを行い記入例に沿って記入を行うことで申請は行えることでしょう。
しかしいざ申請を行うとなるとどうすればよいかわからないこともあるかと思います。
以下に例を交えて手順を解説します。
1.所轄の警察署を調べる
道路使用許可申請はご自身の最寄りの警察署ではなく、ロケ地を管轄している警察署の交通課に申請する必要があります。
ロケ地の候補が決まったら、付近の住所を確認して検索を行ってください。Google mapを使って近い警察署を探してもOKです。
注意点として、交番などでは申請は行うことができません。必ず交通課の窓口のある警察署に申請ください。
地図上では管轄が被っていてわからないという場合は電話などで問い合わせを行えば教えてもらえます。危険な場所だったり、私有地などだったりする場合もあるため、少しでも気になる要素があれば問い合わせを行うことを推奨します。
2.申請書を記入する
ロケの際に提出が必要な申請書と付属する書類は基本的に以下の通りです。
・申請書
警視庁又は警察庁の各都道府県にある警察本部のHPからダウンロードが可能です。
(警視庁HP:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kotsu/application/shiyo_kyoka.html)
記入例を参照して、該当箇所を記入してください。

上部に記載の代表者は法人だったり団体の場合はその代表者を記載ください。
(私は初めて提出する際に自分の名前を書いてしまい、その場で全て書き直しになったことがあります…)
また、過去は法人印などの押印が必要でしたが、現在は代理人の記入で問題ありません。
住所などははっきりしない場合は最寄りの住所を記載して、付近の特徴や他に近い住所も併記すると伝わりやすいです。
撮影目的は「撮影」のみだと却下される場合があります。簡潔かつ明確に撮影の意図を記載してください。
商用動画などで内容が明確にできないといった場合でも、記入できる範囲で記載し、難しい部分は口頭で説明をすると許可される場合が多いです。
期間は1日で終わる場合はその時間でOKですが、予備日がある場合は両日記入してください。
人気の撮影スポットなどでない場合は大体は許可をもらえます。人気の地点の場合競合していると先に入っている方が優先されます。
方法又は形態は撮影の詳細を記入する箇所です。
三脚を置くのみなどの場合はそのまま記入してOKですが、内容が複雑化する場合は別紙参照だったり企画書参照などで大丈夫です。
最後に添付書類の欄には俯瞰図、地図、企画書(又はコンテ等)を記載ください。
特記事項がある場合は事前に警察署に問い合わせをして他に必要な書類を確認してください。
・地図
Google mapの印刷でOK。入り組んでいたり、わかりにくいと再提出になる場合もあるのである程度近づいた縮尺が望ましいです。
また、近くに目印になる建物があったりする場合はそこを強調したり、ロケの使用範囲を赤で囲うとより正確です。
複数地点に跨る場合は2部用意します。

・俯瞰図
記入例を掲載します。
撮影地点を地図の囲いを基準に俯瞰で記載します。
カメラの位置、演者の導線は当然必須ですが、それに加えて公道の場合は両端に誘導員を配置する必要があります。
暫定の位置で大丈夫なので、必ず両端に配置し、一般の通行人に最大限配慮する内容にしてください。
また、照明などの機材を設置する場合もここに記載してください。

・上記書類全ての複製
正副併せて申請する必要があるので全て記入が終わったらコピーをしてください。
・修正用の文具
記載に誤りがあったり、不十分な箇所の追記や修正をする事があります。
窓口に記入用のペンが備え付けてある場合もありますが、修正テープ等もあると良いです。
3.窓口に提出
書類は郵送などはできず、必ず警察署の窓口に提出します。
道路使用の窓口が交通課などに設けられているので、そちらに提出します。
窓口業務の時間が決まっているので事前に確認してください。(東京の場合 8:00~16:00)
警察署はネットで調べると24時間と表示されている場合もあるので注意してください。
提出書類は現地で修正する場合もあるので、ペンなどもあるとよいかと思います。
窓口担当者のチェックののち、押印をもらった書類を会計課に持っていきます。
会計課で支払い(東京の場合2,100円)をおこない支払い証明書を発行してもらいます。
ちなみに現在はpaypayなどのバーコード決済や電子マネーにも対応しています。
再度道路使用の窓口に行き、そちらで証明書を提出すれば申請は完了です。
4.許可証の受け取り
申請の許可は2営業日で発行されます。
郵送などはこちらも無いので、再度警察署に行き、書類を受け取る必要があります。
受け取りにある程度期間がかかってしまう場合は、事前に連絡をすると良いです。
以上が道路使用の大まかな流れになります。
現場で確認される場合もある為、許可証はロケ現場にも制作部が必ず持参してください。
また、道路使用の許可を得ていても、そこを完全に占有することはできません。
使用許可が出ても公共のスペースであるという事実は変わりありません。
一般の方の通行や車両の流れにもしっかり対応して、スムーズな現場進行を制作部は心がけてください!
記事作成:企画制作部 ディレクター・プロダクションマネージャー 白岩