主にLED ICVFX(インカメラビジュアルエフェクト) など、システムで使用する機器間で高精度なジェネレーターロックが必要な状況に対応するため、発売したばかりの高機能シンクジェネレーター Leader LT4670 を導入しました。
シンクジェネレーターには安価なものでは Blackmagic Design Mini Converter シリーズの製品などがありますが、なぜ高価なシンクジェネレーターが求められるのでしょうか。
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理由1:より高精度の安定性
VTRとモニターやカメラとモニターなどシンプルな機器間のロックであれば、高価な機材であっても安価なシンクジェネレーターを使用して問題ない場合がほとんどです。
しかし多くのカメラや同期が必要な機器が何系統もあり、それが1台のスイッチャーに集まるような機器構成の場合、不安定になるリスク回避として、例えばスイッチャーを境にしてジェネレーターロックを分けたり(通称 島を分ける)という措置が必要になる場合が出てきます。
そして、冒頭に挙げたICVFXのような、カメラやポジションセンサー、LEDやメディアサーバーなど多数の機器が「対等」でありつつ、それぞれに精度が要求されるシチュエーションにおいては、どこかでジェネレーターロックの島を分けるわけにもいかず、システム全体として長期間安定して動作するマスターシンクを据えることになります。
理由2:高精度のロックを前提とした追加シフト操作
高機能のシンクジェネレーターには、接続機器間の高精度なフレームロックを前提とした上で、フレームのスキャンラインを1本単位で正負方向にシフトさせるという機能があります。
ICVFXでは、背景となるLEDビジョン、アクター(被写体)と背景であるLEDビジョンを撮影するカメラ、カメラに取り付けれたポジショントラッカー、3DCGをリアルタイム生成しつつ これら全てを統合するメディアサーバーといった構成要素がありますが、
同期されているカメラとLEDビジョンが空間を介して再撮される関係になっている都合、それぞれの機器が正確に同期されていることに加え、(正確な同期を前提にしながらも)個別の機器に対してスキャンラインをシフトして補正操作を行いたい場面というのが発生します。
LT4670は、全ての同期信号出力に対して個別にライン単位のシフト補正が可能なため「タイミングの固定」と「個別の自由補正」の両方を確実に行える機器としてICVFXのシステムに内在する問題を解決します。