プロジェクションマッピングギャラリー(以下PMギャラリー)のための映像制作テンプレート(After Effects/3DCGのカスタマイズ可能なひな形)を一般公開しました。
これにより、お客様ご自身で制作した映像をPMギャラリーで投影し、プロジェクションマッピングはもちろん、イマーシブな空間演出やバーチャルリアリティの可能性を探求することができます。
以下がテンプレートの使用方法になりますので、ご活用いただき、ぜひPMギャラリーで上映してみてください。
1.テンプレートのダウンロード

①PMギャラリーページ(https://www.arkbell.co.jp/randd/pm_gallery/)より、テンプレートのファイルをダウンロードします。
解凍すると以下のファイルがあります。
3Dフォルダ(3DCGを使用する場合のファイル)
・Template_showroom.c4d(Cinema4D用のファイル)
・Template_showroom.fbx(汎用的なFBX のファイル)
・Template_showroom_camRig_param.txt(CGソフトによりカメラの座標がずれる場合の手動設定用の数値)
・Template_showroom_frames.c4d(左壁 額縁マッピング、Cinama4D用ファイル)
・Template_showroom_frames.fbx(汎用的なFBX のファイル、Cinama4D用ファイル)
AEフォルダ(3D/2Dでの制作と再生用にファイルを書き出すためのファイル)
・Template_Showroom_20250304.aep(Adobe Aftereffects用のファイル)
2.3DCG

①3D フォルダの中のCG プロジェクトファイルを開きます。
※本手順はTemplate_showroom.c4d でのものとなります。
※3DCG を使用しない場合、AE を使った手順にお進みください。

②3DCG でオブジェクトを配置しアニメーションを付けます。

③3Dでのシーンを1 前、2 左、3 右、4 床 でカメラを切り替え、それぞれ4 つの平面画像/ 動画に書き出し(レンダリング)します。

④なお4床のみ解像度が1920x1920pxとなりますので、レンダリング設定で変更してください。

⑤上記手順からそれぞれ4つの画像/ 動画ファイルを作成します。
3.2D制作

①AEフォルダにあるTemplate_Showroom_20250304.aepを開きます。
コンポジションは大きく2つに分かれます。


②Cam_Center のコンポジションを開き、3DCGで制作した前画面用のファイルを読み込みます。

③コンポジションに配置してあるガイドでマスクします。
この作業を1 前、2 左、3 右、4 床 で行います。
※3DCG を使用しない場合は、直接各コンポジションにて映像を制作してください。

④Preview のコンポジションから各面の割り付けが確認できます。
4.最終書き出し


①コンポジション Comp_Wall / Comp_Floor からそれぞれ動画ファイルを書き出します。
(額縁マッピングの場合はComp_Wall_frames)

②このように壁面 / 床面と2つのファイルができます。
5.プロジェクターとResolume Arenaでの投影

①書き出した壁面/ 床面の2 つのファイルをPMギャラリーのResolume Arena へ取り込みます。



②プロジェクターから映像が投影されれば完了です。
3DCGを使用した奥行きのある表現について
3DCGを使用した場合、3Dシーン内に設置したカメラと同じ位置がギャラリー中央のやや後方に設定してあるので、そこがスイートスポット(最適視点)となります。
これをうまく使えば奥行きのある表現が可能になります。
「視点を固定してCGをレンダリングし、同じ視点から見ると仮想空間が本当にそこにあるかのように感じられる」という原理を使用しています。これは 単一視点用のパースペクティブ補正(“perspective-corrected projection”)と呼ばれる手法の一種で、CAVEと呼ばれるシステムなどでも同様の仕組みが使われています。
単一視点に最適化された錯視表現(スイートスポットでのパースペクティブ補正など)は、その視点に立った人にとっては非常にリアルに見えます。
したがって、1人がその「ベストな視点」で体験する場合にもっとも効果が高くなります。
具体的には、実際の空間の壁や床がスクリーンの役目を果たし、それぞれの位置関係や角度に合わせて事前にCGをレンダリングすることで「透視図法に合った」映像が映し出されます。人間の視点(目)の位置を元にCGカメラを置いて描画しておけば、その視点から見たときに映像が空間的につながって見え、まるで壁や床の向こう側に仮想空間が続いているような錯覚を起こすわけです。
ただし、この没入感はあくまで “その視点” で見る場合に最適化されているため、見る人が大きく移動したり、別の位置から見ると歪んだり、つながりが不自然に見えたりします。逆に言えば、視点をある程度固定できる状態だと強い没入感が得られるので、そこをうまく使うと非常に面白い演出ができます。
また壁、床で視界が覆われることにより、VRゴーグルを掛けずにバーチャルリアリティの没入感を体感することができます。
以上がPMギャラリー テンプレートの使用方法になります。
ご活用いただき、ぜひPMギャラリーで上映してみてください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。