証明書付きパカパカチェック(ハーディングチェック)

パカパカチェック・パカチェッカー・ハーディングチェック等とよばれる、放送業界標準の
「視聴リスク評価」を行い、分析証明書を発行いたします。
データ・テープどちらの素材も迅速に対応いたします。失格カットの対策調整も承ります。

証明書付きパカパカチェック(Harding FPA) サービス料金表

※表は左右にスクロールして確認することができます。

検査時間 ~15分 ~30分 ~60分 ~90分 ~120分 ~150分 ~180分
料金 6,000円 8,000円 10,000円 12,000円 14,000円 16,000円 18,000円

証明書PDFサンプル(クリックで別ウィンドウが開きます)

※検査失格の場合、演出変更等が無い条件にて再検査を追加2回まで承ります
※検査方式はNHK・民放連「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」(NAB Japan 2006)となります
※英国オフコム(UK-OfCom/ITU 2009)方式でのチェックも可能です
※分析証明書の納品はPDF形式になります

ハーディングチェック対応 簡易調整(パカ直し) サービス料金

簡易パカ直し編集
8,000円/作業1時間あたり

※カット内容に応じた輝度差の圧縮、またはモーションブラーやコマ落しによる調整となります
※カット内容により簡易調整による対応が不可能な場合があります。ご了承ください

ハーディングチェック 入稿対応素材

※表は左右にスクロールして確認することができます。

ビデオテープ HDCAM-SR・HDCAM・HDV・DVCAM・DigitalBETACAM・BETACAM ほか
ビデオファイル MOV(ProRes422 H.264)・AVI(GVHQ)・MXF(XDCAM HD422)・MP4(H.264)ほか

※ファイルご入稿の場合、本編部分のみを最終納品フォーマットにてご提出ください(合否結果が変わる場合があるため)

解説!ハーディングチェック

<概要>

ハーディングチェックの結果は「合格」「合格(警告あり)」「失格」の3種類で判定されます。ここで気になるのが「合格(警告あり)」だと思いますが、現場では「合格」として扱われており局納品できます。映像の点滅は古典的な演出方法であるため、点滅しないカットに差し替えるのは避けたい、といったケースは多くあります。そのため「失格」になったカットを「合格(警告あり)」の範囲に収める方法が求められます。

ハーディングチェックが検査するのは、おもに「輝度点滅」「赤色点滅」「空間パターン」の3種類で、失格の場合の多くが「輝度点滅」で失格になります。さらに「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」(NAB Japan 2006) においては「サブリミナル」も考慮されます。合格の判定基準ですが、各項目にそれぞれ閾値とカウンターがあり、いずれかの項目でその警告値に達すると、映像全体が「失格」と判定されます。

「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」(NAB Japan 2006) では、輝度について『(29.97FPSのとき)10フレーム以内で、1回を超える光の点滅は避けるべきである』と書かれています。
ハーディングチェックでは、輝度が大きく変化するとカウントが進み、2カウントで「1回点滅があった」と認識します。

実際に、HardingFPAのグラフを確認してみましょう。以下はHardingFPAの計測画面です。グリーンのグラフが見えますが、これが輝度の変化を表しています。(画像クリックで原寸を表示)

ここで実験として、0IRE(セーフブラック)→100IRE(セーフホワイト)の輝度差で、黒→白→黒の点滅を作って計測してみます。結果は以下のようになります。

黒→白で1回、白→黒で1回の合計2カウント。結果は、警告・失格域に入っていません。ガイドラインは「10フレーム以内で1回の点滅はセーフ」と読み替えることができますが、結果もその通りになりました。

では次に、10フレーム内で上記演出を「2回」行った場合を見てみましょう。

すると、今度は先程と異なり、突き抜けるように失格域までグラフが伸びています。「10フレーム以内で、1回を超える光の点滅があった」と判定されて失格になりました。「HardingFPAの入力信号に、10フレーム内で、一定以上の輝度変化が3回以上あった」ため失格になったと言い換えることができます。

そうすると次に確認するのは、「HardingFPAは、一体どのくらいの輝度変化の大きさを、点滅に関わる変化としてカウントしているのか」という部分です。
さきほど失格になった映像を使用して、0→100IREの輝度変化量を段階的に小さくして計測を繰り返していくと、輝度差 29.7IREまでは数値を下げても失格になりました。

輝度差 29.2IRE前後まで下げたところで、やっと反応が変化しました。グラフは以下のようになりました。

本当に点滅としてカウントしていないか確認するため、輝度差29.2IREで大量に点滅を繰り返した結果が以下のグラフです。

グリーンのグラフが失格点を突き抜けていますが、結果は「合格」となりました。次の画像は、輝度差29.7IREで同じことをした結果になります。

結果はもちろん「失格」です。

輝度点滅の安全ラインは分かりましたが、29.2IREという輝度差は、点滅の演出としては非常に弱くなってしまいます。輝度の変化を縦軸の変化とすると、次に可能性を求めるのが横軸の変化となります。すなわち「時間軸」です。
「モーションブラー」を使用して前フレームの残像を重ねていくと、輝度変化が少なく抑えられる場合があります。もちろんカットの内容により向き不向きがあります。以下は、先程の「輝度差29.7IREで大量に点滅を繰り返した映像」にモーションブラーを適用した結果の前後比較です。

明るいフレームと黒フレームの間に、中間グレーの輝度のフレームが生まれることにより、輝度変化量が29.2IRE以下に変わり、輝度点滅のカウンターが無効化しています。
以下は、実際の映像においても、モーションブラーによってグラフのピーク値を下げる効果が出ている例です。

以上のように、画面の輝度と時間の関係に手を加えて、「失格」にならない領域でベターな結果を求めていくのが、応急処置としてのパカ調整になります。しかしながら、これは演出の変更や、該当カットを元素材から再グレーディングした場合に勝るものではありません。
最後に、【オリジナル-モーションブラーのみ-輝度調整のみ-両方で調整】の順番で計測したグラフをご覧ください。

特に右の2つを比較すると、同じ失格回避であっても、合わせ技のほうが輝度の変化を大きく残せています。(もちろん輝度単体のアプローチが良い場合もあります)

ハーディングチェック誕生の背景

パカパカチェック・ハーディングチェックは「てんかん」発作の誘因となる光刺激パターンを事前に検査し、放送・上映事故を防ぐために考案されました。*1
光刺激によるてんかん「光過敏性発作」(以下PSE) *2は、国内では1997年にテレビ東京系で放映された『ポケットモンスター』第38話「でんのうせんしポリゴン」の視聴事故で有名なりました。*3

1993年、PSE研究の権威である英アストン大学のグラハム・ハーディング教授は Golden Wonder社製カップ麺のCMにおける視聴事故をきっかけにITC(現Ofcom=英国放送通信庁)とともにPSEを引き起こす条件と、それを回避するためのガイドラインを発表しました。ガイドラインはBBCをはじめ欧州各局で採用され、またこれを契機に世界中の放送局が同様または類似の放送基準を定めました。日本国内においては、1998年にNHKと民放連が「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン*4」(現 NAB Japan 2006)を共同で発表しました。

  

英ケンブリッジリサーチシステム社(以下CRS)は、ハーディング教授と共同でPSEと映像コンテンツとの関係を研究し、その成果としてPSEリスクの解析ソフトウェア「Harding FPA」を開発しました。その後、類似のソフトウェアがいくつか国内で開発されました。

  

当社ではCRS社の「Harding FPA Desktop」システムを導入し、映像ソースのPSEリスクをリアルタイムでモニタリング・調整に対応しています。テレビ用コンテンツをはじめ、WEB配信用ビデオや販売用映像ソフト、ビデオゲームなどPSEリスクの判定に役立てています。

HFPA-DesktopCambridge Reserarch Systems

*1 1946年 W. Grey Walter によって科学雑誌『Nature』で発表され、1秒間に 20-50 回程度の光の明滅で発生する。1997年にテレビの子供向けアニメーション番組『ポケットモンスター』の放送中に激しい光の明滅効果により、多くの学童が光過敏性発作を起こし社会問題に発展した。
*2 映画・テレビ・アニメ・ゲームなどの光刺激が、多くの症例を引き起こしている。
3* 事件の影響でポケモンの放送が4カ月の間休止された。
4* 日本民間放送連盟 アニメーション等の映像手法に関するガイドライン